医療機関で行われている針脱毛(絶縁針脱毛)の仕組み・原理

レーザー脱毛が普及する前は,永久脱毛といえば針脱毛が一般的でした。

しかし,素早く脱毛効果を得られるレーザー脱毛機の登場によって,現在の脱毛方式はレーザー脱毛が主流となりました。

急速に増え続けてきたレーザー脱毛ですが,まだ針脱毛を行っているクリニックは少なからず存在します。

それは,レーザー照射しにくい部位やレーザー照射をしても脱毛効果を得にくい部位が存在するからです。

自分の脱毛したい部位に合わせて,レーザー脱毛を行うか針脱毛を行うか判断できれば,永久脱毛をよりスムーズに行うことができます。

そこで今回は,医療機関で行われている針脱毛(絶縁針脱毛)の仕組み・原理について詳しくお話します。

1.針で脱毛できる原理

針脱毛の仕組み

ムダ毛は皮膚の深部にある毛乳頭から生えていると言われています。

針脱毛では,毛穴に針を挿入し、針に電気を通して毛を加熱します。
この熱によって毛の毛母細胞(発毛組織)を破壊します。これが針脱毛のメカニズムです。

この作業を一本一本繰り返して,毛を確実に処理していきます。

レーザーが光の作用によって間接的に脱毛する方法なら,針脱毛は毛を直接加熱する方法といえます。

2.絶縁針とは

絶縁針脱毛

逆さまつげを抜く方法として120年以上前に始まった針脱毛ですが,日本で本格的に針脱毛が導入されたのは1960年頃といわれています。
まず,皮膚科や形成外科で電気針脱毛を行うようになりました。1980年代にはエステサロンでも電気針脱毛を行うようになり,針脱毛が広く知られるようになりましたが,無資格者が脱毛を行うことから皮膚トラブルが後を絶ちませんでした。

また,この電気針脱毛方式は,通電した針が皮膚と接触するため,通電時に非常に強い痛みを伴ったり,火傷や色素沈着を起こしやすいという欠点がありました。この欠点を克服したのが絶縁針脱毛方式です。正式には開発した医師の名前をとって「小林・山田式絶縁針脱毛法」と呼ばれています。

この脱毛法は,毛の発生源を正確に電気熱で処理し,皮膚表面に傷が残らないにすることに重点を置いて開発されました。

各部位の毛質と成長期の毛根の深さを考慮して,最も効果的な太さと長さの針(小林式絶縁針)が作られています。そのため,この針は全部で約20種類もあります。そして,針の根元を太くして針が毛乳頭よりも深く刺さらないないようになっています。
さらに,皮膚に接する部分を絶縁して,皮膚に電気熱が伝わらないようになっています。そのため,強い電流を流しても皮膚を痛めません。 この脱毛法により,レーザーでは脱毛しづらい場所や日焼けした肌でも,安全で確実な脱毛ができるようになりました。

3.絶縁針脱毛の安全性

安全性を確認するために,この脱毛法を開発した小林博士は自らの脚と刺身を使って実験を行っています。

まず,刺身に非絶縁針と絶縁針を刺して電気を通します。その結果,非絶縁針は刺身の表面から針の先端まで焼け,絶縁針では表面は綺麗なまま針の先端部分だけが焼けることが確認できました。さらに針の太さや通電時間を変えて実験を行いましたが,結果はどれも同じでした。これを受けて小林博士は,自分の脚で臨床実験を行ったのです。

1985年11月,絶縁針と非絶縁針で自らの脚を脱毛しました。このとき,絶縁針で脱毛した部分の肌はトラブルもなく綺麗な状態でしたが,非絶縁針で脱毛した部分は皮膚表面に火傷の跡が見られました。それから約8年後の1993年2月に確認したところ,絶縁針で行った脱毛は皮膚表面が綺麗で,毛の数がはっきりと減少していました。非絶縁針では,毛は減少してはいるものの,点状の小さな痕が残っていたのです。

この実験によって,絶縁針脱毛の安全性は確実なものとなり,現在では,世界各国で採用されるまでになりました。

4.絶縁針脱毛の注意点

絶縁針脱毛では上述のとおり,毛穴に針を刺して,針に電流を流すことで毛を加熱します。

そのため,毛の周辺にある皮膚が軽い火傷状態になります。
人によって,かなり赤く腫れてしまう可能性もあります。

また,絶縁針によって,毛細血管を付いてしまった場合は,どうしても内出血が起こります。

また,針を毛穴に指すことから,針の衛星管理が悪いとB型・C型肝炎やHIVウイルスなどの感染病に掛かる可能性もあります。
感染病を未然に防ぐために,血液検査を行います。

絶縁針脱毛を受ける場合は,必ず信頼できるクリニックで受けるようにしてください。事前にスキンチェックと血液検査を受けて,自分が絶縁針脱毛できるかどうか医師と確認するようにしてください。

5.まとめ

絶縁針脱毛は,毛穴に直接針を刺し込み,針に電流を流すことで毛を加熱しています。

そして,毛を加熱することで毛の真下に存在する毛母細胞を破壊し,毛を生えなくしているのです。

しかし,絶縁針脱毛は「毛穴に針を刺し込む」という特徴があるため,皮膚の炎症だけでなく,内出血を起こす可能性がありまのでご注意ください。