体毛の構造|毛が生える仕組み

ところで体毛がどういう構造になっているのかご存知ですか。

脱毛をするにあたって,この体毛の構造を理解していれば,カウンセリング時に医師の説明がよりわかりやすくなります。

逆に,悪質な医師の嘘を暴くことができます。

脱毛を気持ちよく終えるため,自分の身を守るために,まずは体毛の構造について勉強してみましょう。

1.体毛の構造

体毛は大きく,表面から外に出ている部分の毛(毛幹)と頭皮表面から内側に深く潜っている部分の毛(毛根)の2つに分かれています。

毛幹は皮膚の外に出ている部分の毛で,先端は毛先といいます。

対して,毛根は皮膚の下にある部分を指します。そして,毛根を皮膚の中で包んでいる部分を毛包または毛嚢(もうのう)といいます。

このように一本の毛には,さまざまな付属組織があり,それぞれ違う名称と役割があります。

それぞれの名称と説明を下記にまとめましたので,参考にしてください。

体毛の構造

体毛の構造
参考文献:「他人に聞けない 永久脱毛のすべて」,川口英昭 著

・毛幹
普段,私たちがただ単に「毛」や「ムダ毛」と呼び,目にしているのが毛幹です。肌の表面から出ている部分の毛のことです。

・毛孔
私たちが普段,「毛穴」と呼んでいる部分のことです。毛が皮膚の表面に出てきて,表皮がくぼんでいるところを指します。
毛孔は皮脂腺とアポクリン汗腺につながっていて,分泌物が排泄されています。

・毛根
皮膚のなかにある,毛幹の延長した部分です。普段は見えない部分で,皮膚の中にある毛組織全体を指します。呼び方が変わっただけで,構造上は毛幹と同じものです。

・毛包
毛根全体を取り巻く組織のことです。「上部毛包」「中部毛包」「下部毛包」の3つに分かれています。

・毛球
毛根の最下部にあり,膨らんでいる部分のことです。球根のように膨れていることからこの名称になっています。毛の発育で最も重要な部分がこの毛球部分です。毛球で毛母細胞は活発に細胞分裂を繰り返し,上方に移動して毛を伸ばしています。

・毛乳頭
毛球の底辺のくぼみの箇所です。毛乳頭には毛細血管や神経が集中しており,毛乳頭が毛細血管から栄養を取り込んで毛を成長させます。そのため,この毛乳頭及び毛包全体を破壊しない限り,毛を抜いても毛は再び生えてしまいます。

・毛母細胞
毛乳頭の上の部分のことで,毛乳頭から栄養をもらうことで,毛母細胞が分裂し,毛が成長します。これが毛が生える仕組みなのです。この成長により細胞は角化して,毛は徐々に硬化し,うろこ状に伸びて毛孔から毛幹として体表に出現します。したがって,この毛母細胞がある限り,いくら毛を抜いても毛は次々に生えてしまいます。医療機関が行う「永久脱毛」は,この毛母細胞を絶縁針によって直接熱破壊,あるいは,レーザーを利用して間接的に熱破壊をしています。
また,毛母細胞は立毛筋の近くの幹細胞(毛隆起:バルジ)が分化してできます。

・立毛筋
気温や環境の変化によって,毛を立たせたり寝かせたりする役割を持っている小さな筋肉です。自分の意思で動く筋肉ではありませんが,「鳥肌が立つ」のは立毛筋が働いている証拠です。

・皮脂腺
皮膚をなめらかに保つ・皮膚を保護するために,水分とともに薄い膜(皮脂)を分泌する部分です。毛穴の中につながっています。

・アポクリン腺
アポクリン汗腺はワキ毛や陰毛などの性毛にのみ存在する汗腺です。これがワキの臭いの原因と言われています。
永久脱毛をすることで,ワキの臭いが軽減されたという報告がいくもあります。これは,アポクリン汗腺の一部が電気凝固により破壊された結果と考えられています。

2.毛幹の構造

毛幹は三つの層からできています。
真ん中が毛髄質,そしてそれ取り囲むように毛皮質,さらにその周りには毛小皮があります。これらはすべて約18種類のアミノ酸が化学結合をして構成されています。
毛幹部分は,ケラチンという死んだタンパク質細胞からできています。毛母細胞での活発な細胞分裂の結果に出来た角質化したものです。

毛幹の構造

毛幹の構造
参考文献:「レーザー治療による安心脱毛」,大城俊夫 著

・毛小皮(キューティクル)
毛小皮は,半透明のケラチン(硬タンパク質)でできている薄い細胞膜で,根元からウロコのように重なっています。
根元から毛先に向かい何枚もの毛小皮が重なってなっているのは,ブラッシングなど外部の刺激などから毛髪の本体(毛皮質)を保護するためです。
特に水,アルコール,薄い酸などには耐性があります。反面アルカリには弱く,美容院で使われているパーマネント剤はその性質を利用して作られています。

頭髪などは毛小皮できちんとコーティングされていれば,つややかで枝毛のない髪が保てます。洗髪のし過ぎや強い薬剤などで毛小皮を痛めると,頭髪はダメージを受けます。毛小皮が壊れると,内部にある毛皮質に含まれているタンパク質や水分を保持できなくなり,毛の光沢や柔軟性を失います,髪がパサパサになったり,切れ毛・枝毛・裂け毛などの原因になります。この層で毛の性質,すなわち弾力性や強さ,しなやかさが決まるといって。ちなみに頭髪は大変丈夫で,一本で約100gの重量を吊るすことができるといいます。

・毛皮質(コルテックス)
毛の大部分(約85~90%)はこの毛皮質です。この層によって毛質・強度が決まります。繊維状になっており毛の強度を保っています。
また,毛皮膚は,多くのメラニン色素を含んでいます。人種によって髪の毛の色が違うのは,メラニン色素の量の違うからです。
また白髪になるのはメラニン産生細胞が機能しなくなり,色素が形成されなくなるからだと考えられます。

・毛髄質(メデュラ)
毛幹の中心部にある毛髄質は,蜂の巣状の多角形細胞で多くの空気を含んでいます。
毛髄質もタンパク質からなり,一般的に毛の太さはこの毛髄質の量で決まります。太い毛と細い毛では毛髄質の量が違うのです。
色素や脂肪も含まれ,寒冷地に生息する動物の体毛には毛髄質の割合が50%を越え,体温保持に役立っています。
また,赤ちゃんのうぶ毛には毛髄質がありません。

3.まとめ

体毛の構造について,少しでもご理解いただけたでしょうか。

毛というものは,目の見えるのはたった一本ですが,皮膚の中までその毛をたどっていくと,とても複雑な構造をしているのです。

また,永久脱毛を行うには,毛に含まれる毛母細胞を破壊すればよいということもわかります。

この記事が除毛・脱毛の参考になれば幸いです。